シマリスを見ていると愛らしい表情でエサを食べているため、ついつい撫でてあげたくなりますが、簡単に触れさせてくれるわけではありません。
自分の体の何十倍もの大きさの人間が触れようとするわけなので、シマリスも怖がってしまいます。
人になれているシマリスでさえ、いつ噛み付くかわかりませんので注意が必要です。
噛まれたけど大丈夫!?
シマリスに噛まれたという飼い主さんも多いことでしょう。
私も巣箱の掃除をしようとケージに手を入れたときに、エサを奪われると思ったのかガッツリと噛まれたことがあります。
指に歯が食い込んで2つ穴が空いて出血しました。
シマリスに噛まれることによって病気になるかと思いましたが、一般にペットショップで流通しているシマリスは、動物検疫をクリアした感染症の安全証明がされたシマリスだけが輸入されているようですので、ひとまずは大丈夫なようです。
しかし、皮膚に穴が空いているわけですから、放っておくと他の病気にかかる可能性もあります。すぐに消毒し治療しました。
シマリスの多くは、中国から輸入されていますが、厚生労働省がペット用の動物の飼育施設の基準を設けており、感染症の予防や衛生の管理がきちんとされている施設から輸入されます。
しかし、国内での流通過程で病気になる恐れもありますので、必ずしも安心というわけではありません。
感染する病気
人に感染することとして知られている病気として代表的なのが、ペスト菌や狂犬病ではないでしょうか? 海外旅行に行く際に、犬などに噛まれることで発症し、最悪の場合死に至るとされる病気です。
ペストは、ペスト菌という菌に感染することで発症し、ネズミやノミなどから感染すると言われていました。
げっ歯類であるシマリスにも感染する恐れはありますが、動物検疫が厳しくなり、海外から輸入される動物はきちんと検査されるため、国内では1926年以降の感染報告はされていません。
もうひとつ有名なものに狂犬病というものがありますが、こちらは名前に犬が主体となっていますが、人間を含めた哺乳類全般に感染します。
小動物に噛まれることでも発症する可能性は十分にあります。
しかも感染すると治療の方法がなく死亡してしまいます。
日本国内では1957年を最後に感染した報告はありません。
しかし、世界的に見ると毎年5万人ほど感染して死亡していますので、海外でリスと触れ合う際は気をつけなければなりません。
感染症対策
シマリスから病気をもらう可能性は低いかもしれませんが、十分に対策はしておきましょう。
口を近づけたり過度なふれあいは良くありません。
シマリスにとってもストレスとなります。
シマリスだけでなく、動物と触れ合った後は、必ず手洗いをして可能であればエタノールで消毒しましょう。野生にいるシマリスとの接触は危険ですので避けておきましょう。
シマリスはなぜ噛み付くのか?
シマリスが噛み付いてくる理由にはいくつかありますが、もっとも多いのが敵とみなしていることでしょう。
いくらエサを与えてくれるからといって、自身の体より大きな人間が食事の邪魔をしようとしたり、巣に手を入れたりすると、危険だと判断して身を守るために噛み付きます。
よく懐いているシマリスは甘噛みをしてくることもありますが、リスには甘噛みでも人間にとっては結構痛い噛みかたをしてきます。厚手の手袋をつけるようにしたほうが、いいかもしれません。
シマリスには季節によって凶暴になる時期があります。
具体的には秋口から冬にかけての時期で、通称タイガーと言われ、今まで嘘のように凶暴になってしまうのです。
これは、性ホルモンのバランスが変わることに起因しており、生殖行動から生存行動に性格が変化するからだと言われています。
この時期はどんなに頑張ろうと春の暖かい時期まで性格は戻りませんので、少し距離を置きながら見守ってあげるとよいでしょう。
もともと単独で生活する動物ですので、人間の過度な干渉はよくありません。ほどほどにコミュニケーションをとりながら、お互いにストレスのない生活を送りたいものです。