ペットとして飼育しているシマリスも動物であるため、細菌やウイルスに感染する可能性はあります。
人間にとって危険なウイルスや細菌は、シマリスにとってどのような危険性があるのかを見ていきましょう。
シマリスと肺炎
シマリスは細菌やウイルスの感染によって肺炎になる可能性があります。
軽度の場合でも上部気道炎や気管支炎になります。重症化した場合には、肺にまで炎症が波及して肺炎になってしまいます。
肺炎になると肺にある肺胞が炎症を起こし、液体が肺胞に溜まったりすることで呼吸が困難になります。
体内に酸素を供給することが難しくなり、二酸化炭素を排出できず、シマリスの生活が困難になります。
シマリスにおける細菌性の肺炎は、クレブシエラ菌によるものが最も多くなっています。
クレブシエラ菌とは?
グラム陰性の細菌で、健康な人の体にも存在している菌です。通常は無害なのですが、体が弱っていたりする状態では、感染症の原因となることがあります。
どこで感染する?
ペットとして飼育されているシマリスの場合はその多くは中国から輸入されてきた生体になります。
中国での飼育環境の悪さや、輸送時のストレスなどから発症している可能性があります。
インフルエンザに感染する。
シマリスは人のインフルエンザに感受性があります。
そのため、シマリスはインフルエンザに感染する可能性が高く、飼い主がインフルエンザになった場合はすぐに隔離する必要があります。
エサやりや水換えは手をエタノールなどできちんと消毒した上で行う必要があります。
空気感染を避けるためにも、シマリスのいる部屋の換気は定期的に行いましょう。
新型コロナウイルスにも注意
シマリスから感染したという報告はされていませんが、シマリスはウイルス性の肺炎になる可能性があるため、手洗い、うがいをしたうえで、きれいな手でエサやりや水換えを行いましょう。
肺炎になった場合の症状
シマリスが肺炎になってしまった場合は、呼吸に異常がみられます。
呼吸が速くなったり、クッ。クッ。っと苦しそうに呼吸するような症状がみられます。
うまく呼吸ができないために、食欲も低下します。
肺炎の診断は動物病院で行います。X線の検査で肺のレントゲンをとり、異常がないか確認します。
肺炎は入荷して間もない子リスに多くみられます。
入荷時のストレスや、販売店の飼育環境なども影響してきます。
子リスを購入する際は、呼吸がうまくできているかを確認するようにしてください。
肺炎になってしまったら
シマリスが肺炎になってしまったら、動物病院で検査し、暖かく換気のよい場所にケージを移動します。
動物病院では抗生物質を投与します。呼吸が困難な場合は酸素吸入を施します。
シマリスはエサを食べない状態では長く生きられないため、補液による体液の補給を行います。
まとめ
シマリスのような小動物にとって肺炎は悪化する速度も速く、治療が困難になる場合も多いです。
そのため、肺炎にならないように予防に努めることが大切になります。
不衛生なケージや巣箱、ストレスのかかる環境下にならないように、気を付けましょう。
また、抵抗力をつけるためにも、栄養バランスの取れた新鮮なエサを与え、日々の飼育を怠らないようにしましょう。