ペットショップで見つけたシマリスのオスとメス。どちらも元気に動き回っているため、見ているだけで微笑ましくなりますが、これからペットとして迎えるのであれば、「オスにするかメスにするか」はよく考えて選びたいところです。
本記事では性格の傾向・見分け方・ショップでの選び方・お迎え後の付き合い方まで、私自身の体験を交えながら詳しく解説します。
目次
まずはシマリスの性格から考える

人間にそれぞれ性格が違い個性があるように、シマリスも個体によって性格はかなり違ってきます。正直、一度でどんな性格かを見分けるのは至難の業。ペットとして迎える場合は、ブリーダーやペットショップの店員さんに、それぞれの特徴を具体的に教えてもらうのが近道です。
基本的にシマリスは臆病な性格です。野生では“捕食される側”であり、鳥や大型動物が天敵。だからこそ、驚かせる刺激や急な接触には弱く、安心できる環境作りが最重要になります。
一方で、ペットショップで販売されている個体は、野生のシマリスに比べると人馴れしていることが多く、人に対して極端に怯える姿は少なめです。
販売時は複数飼いされていることもありますが、シマリスは本来“単独で生活する動物”。
仲間の有無で寂しがる心配は基本的にありません(むしろ多頭はトラブルの元になりやすいので、初心者さんには単独飼育をおすすめします)。
実際に飼ってわかった「性格の違い」

現在飼育しているシマリスは2匹目ですが、どちらもメスでありながら性格は対照的でした。
1匹目(臆病タイプ)
非常に慎重で、人の手から直接エサを食べてくれるまでに1年以上かかりました。進歩が見えるのは遅いものの、一度「ここは安全」と理解してからは、日々のルーティンをとても大切にする、安定志向の可愛い子でした。
2匹目(好奇心旺盛タイプ)
飼い始め初日から手からおやつを食べてくれ、「もっとちょうだい」とねだってくる積極派。新しい遊具にも臆さず挑戦し、ケージの上段までスイスイ上がるタイプです。
結局5年経っても、臆病な子は臆病なまま、好奇心旺盛な子はずっとそのまま。生まれ持った“気質”は大きくは変わらない——だからこそ個性が愛おしく、飼い主の側がその子のテンポに合わせてあげることが大切だと痛感します。
オスとメスの見分け方と注意点
見分けの基本は、肛門と生殖器の距離です。
一般的な目安として、
- オス:肛門と生殖器の間隔が約17〜23mm(人差し指の幅程度)
- メス:同間隔が約6〜7mmと近い
ただし、年齢や体格差で見え方は変わるため、あくまで目安です。何より大切なのは、無理に自分で判断しようとしないこと。シマリスは抱えられたり裏返されたりするのを強く嫌うため、素手で確認しようとすると噛まれて怪我をする恐れがあります。判別は必ず慣れた店員さんにお願いしましょう。
オスとメスの性格差は?——“性別差”より“個体差”が大きい

人間や大型動物ならオス・メスの性格差が明確なこともありますが、シマリスは“性別差”より“個体差”のほうが圧倒的に大きいと感じます。
よく言われる傾向としては、
- オス:穏やかと言われることが多い
- メス:やや気が強く活発と言われることが多い
という“噂”はあります。ただ、私のこれまでの体験や周囲の飼い主さんの話を総合すると、育った環境・人との接し方・日頃の刺激の少なさといった要因のほうが性格形成に与える影響は大きいです。
ショップでの観察ポイント
- ケージ越しの人の動きにどう反応するか(パニックにならないか)
- 掃除や給餌の手の動きに慣れているか
- 他個体との距離の取り方(喧嘩っ早くないか)
- 毛並みがツヤっとしているか、目が澄んでいるか、爪が過度に伸びすぎていないか(健康状態)
私は新しくシマリスを迎えるなら、オス・メスよりも「人への慣れ具合」「健康状態」を優先して選びます。毛並み・目の輝き・爪は、日頃のケアや栄養状態が素直に表れます。ここが整っている個体は、お迎え後の立ち上がりがスムーズです。
ペットショップでの「声かけ例」——店員さんに何を聞く?
- この子の給餌タイミングと内容(何をどれくらい)
- 人の手からおやつを受け取ったことがあるか
- 直近で体調を崩した・食欲が落ちたことはないか
- 移動用ケージや持ち帰りのコツ(季節に応じた温度管理)
- お迎え後何日目くらいから触れ合いを増やすと良いかの目安
ショップでの“日常の扱い方”は、その子の性格づくりに直結します。いつ・何を・どう与えていたかが分かると、お迎え後の生活リズムをできるだけ近づけてあげられるため安心です。
迎えた後に性格差が出やすい「3つの場面」

はじめの1週間
ここでの“距離感の取り方”が長く効いてきます。臆病な子ほど、視線は遠目+声かけのみからスタート。エサは手前に置き、手の気配に慣らすことを優先しましょう。
おやつの与え方
おやつは「コミュニケーションの鍵」ですが、与え過ぎはNG。臆病な子には“静かな時間に短時間”で、好奇心旺盛な子には“決まった合図(呼び名)と場所”で一貫性を持たせると学習が早いです。
秋(気が立ちやすい時期)
個体によっては防衛的になり噛みつきが増える場合があります。攻めない・追わないが鉄則。ピンセット給餌で“安全な距離の学習”を続けると、落ちついてきます。
最終結論:オスかメスかより、「その子」と向き合えるか

- 性格は性別より個体差の影響が大。ショップでの観察と店員さんからの情報が最重要。
- オス・メスの見分けは無理をせずプロに依頼。肛門〜生殖器の距離は目安として捉える。
- お迎え後は“静けさ・一貫性・短時間の良体験”を積む。臆病でも、慣れる速度はその子のペースでOK。
- 私の基準は「懐きやすさ+健康状態(毛並み・目・爪)」。ここが整っている子は、安定した暮らしに入りやすいです。
まとめ

シマリスは、オスとメスで決定的な性格差は小さい一方、個体差はとても大きい動物です。ペットショップで選ぶ際は、よく観察し、店員さんに具体的に相談しましょう。
「この子となら、毎日を丁寧に積み重ねられそう」——そう思えた子が、あなたにとってのベストです。
おまけ:チェックリスト(当日メモ用)
- ケージ越しに近づいた時の反応は穏やか?
- 給餌・掃除の手の動きに過度に怯えない?
- 毛並み・目・爪の状態は良好?
- 店員さんが日々のルーティンを説明できる?
- 移動・温度管理の注意点は聞けた?
小さな積み重ねが、大きな信頼に。あなたとシマリスの良い出会いになりますように。
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